ライフステージの変化で検討する住み替え
子どもが成長して独立していくと、子育てに備えて建てた家を持て余してしまう日がやってきます。使わなくなった子ども部屋、複数個所にある大型の収納スペースなどがある一方、子育てしやすい家にする為にあきらめた部分もあるのではないでしょうか?
家族全員で寛げる広いリビング、子どもの数だけあった子ども部屋、大量の食料品を備蓄できたパントリーなどは、大人数の暮らしには必要でしたが、2人の暮らしには無駄になってしまうスペースです。新築時には書斎や趣味を楽しむ部屋が欲しかったが、子ども部屋と広いリビングを優先したのであきらめたというような経緯もあるかもしれません。
2人だけの暮らしになったら、高齢期に備えてというだけではなく、子供中心だった間取りの家ではあきらめていたことを実現するという要素も採り入れませんか?家を建てる時期には、子育てが終わったとは言っても、まだ現役で仕事が忙しい毎日かもしれません。
ただ、間取りを考える際には、現役を引退しゆったり過ごせる時間ができた時に、家にいる時間を楽しめる家にするという要素も大切です。子育てに備えて家を建てた時にはあきらめたこと、時間ができたらやってみたいことなどに思いを馳せて、新しい家の間取りを考えていきましょう。
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平屋を高齢者に優しい家にする間取り
基本的に平屋は階段がないので、どのような世代にとっても安全で暮らしやすい家です。その上で終の棲家にできる平屋にする為に考えるべきポイントにはどのようなことがあるのでしょうか?
シンプルでコンパクトな間取り
部屋数は少なく、十分な収納力のあるウォークインクローゼットがあり、寝室とリビング、洗面所を回遊できる動線のある間取りはすっきりした暮らしやすさがあります。朝起きて、身支度を調え、洗面をして朝食という一連の流れがスムーズに進みます。
帰宅時には玄関から洗面所を通って手洗いうがいをし、寝室で着替えをしてLDK に行く流れも生まれます。収納がメインベッドルームにまとめられているので、家の中のあちこちに物が溢れず、常に自然に片付きます。
家族の人数が多いと、玄関やリビングに大型収納がないと、帰宅した家族の上着や荷物がリビングに溢れてしまいますが、ご夫婦だけの暮らしなら、寝室に十分な収納があれば、常に家の中をすっきりさせておけます。
寛ぎの時間を庭と融合させるテラス
現役中も週末や休日にはゆったり過ごす時間を楽しむことが、暮らしの質を向上させます。リビングに続くウッドデッキは庭とリビングを融合させて自然の景観を楽しめる空間を創り出します。高齢になり、時間に余裕ができた頃には、気候の良い季節にご夫婦で午後のティータイムを楽しんだり、夏には夕涼みをしたりできるでしょう。
初めての家ではあきらめていた空間を確保する間取り
20代後半から30代にかけて建てた子育てに備えた間取りの家では、子ども部屋や家族でゆったり過ごせるリビング、大人数の家族の荷物をしっかり収納できるファミリークローゼットなどに床面積を充てた為、書斎や趣味のスペースはあきらめた…というご夫婦は少なくありません。
セカンドライフに向けての家には、子育て時代にはあきらめていた書斎や趣味のスペースのある間取りにすると、より充実したセカンドライフが楽しめます。
まだリタイアまでには数年あるが在宅ワークが増え、子どもも独立したので郊外へ移住するというような場合、LDKとメインベッドルームの他に2部屋ある間取りも魅力的です。一部屋は在宅ワークの為の書斎、もう一部屋は、普段は趣味のスペースとして使い、子ども家族が泊まりに来た時には、ゲストルームとして活用できます。
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高齢になった時に備えておきたいこと
リタイア後の暮らしには、ストレスなく行動でき、常に自然に片付く間取り以外に、高齢になった時の安全性を考えておくことも大切です。高齢になると、60代、70代では考えられないようなちょっとした段差で躓いたりすることが増えます。階段のない平屋であっても、それだけでは全く危険のない家にはなりません。高齢になっても安心して暮らせる家にするポイントを確認しておきましょう。
床はフラットにする
ドアであれば問題ありませんが引き戸には敷居の段差があります。ただ、ドアより引き戸の方が使い勝手が良いので、引き戸を採用したい部屋もあるでしょう。その場合には、吊り下げ式の引き戸にして敷居をなくす、又は埋め込み式の敷居にするなどの方法で、床をフラットにすることが求められます。
柔軟性があり滑りにくい床材を使う
床の硬さは足腰の関節に負担をかけます。家にいる時間が長くなればなるほど、硬い床の家は疲れやすくなってしまいます。畳や無垢材、コルクなどは集成材やタイルのような硬さがなく、足腰にかかる負担が少ない床材です。子供夫婦がまだヨチヨチ歩きの子どもを連れてきても、安心して遊ばせられます。
畳やコルクは滑りにくいのですが、車椅子を使う生活になった時には、フローリングの方が使いやすいです。無垢材は仕上げの方法によって滑りやすくもなり、滑りにくくもなります。新築時に無垢材のフローリングにする場合には、滑りにくい仕上げにしておきましょう。
出入り口
万が一、車椅子を使うようになった時に備えて、玄関と家の中の出入り口の通行の幅を車椅子で通れるようにしておきましょう。車椅子での通行を考えると、ドアより引き戸の方が前方を邪魔されないので通行しやすいです。
さらに、上記の建築事例の住宅のように袖付き2枚連動引き戸を採用すると、通行の幅を従来の間口2分の1から間口3分の2まで拡げられます。広い玄関土間は車椅子での出入りがしやすいというだけではなく、生活のゆとりを感じさせます。
参考資料 第3章 基本寸法 – 国土交通省
参考サイト 消費者庁 みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故
参考サイト 健康長寿ネット 高齢者の住宅内の事故
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高齢者に優しい家の室内環境
日本には四季があり、季節ごとに気候と温度や湿度が変わります。この温度や湿度の変化に対して、常に快適な室温を維持できる断熱性と気密性、そしてどんなに気密度が高くてもきれいな空気を循環させる換気計画、湿度を適切に保つ内装材が、快適な生活には必要です。
さらに室内環境を良くする為にポイントにはどのようなことがあるでしょうか?
深い軒が室温に与える影響
住宅の断熱性は、壁や屋根、開口部から暖房の熱が逃げることと、日射熱が侵入することを妨げ、気密性は隙間から冷気が侵入することや、冷房の涼しさが逃げることを妨げます。ただ、それだけでは十分に夏の室温上昇は抑えられません。太陽の高さの変化や住宅の向いている方角に合わせて計算された深さの軒が、日射を遮蔽し夏の室温上昇を抑えます。
間取りと断熱性が室温に与える影響
高齢者にとって家の中の温度差は健康に深刻な負担があります。冷暖房をしている部屋としていない場所の温度差、冷暖房をオンにしている時間帯とオフにしている時間帯の温度差が大きければ大きいほど、脳や心臓に大きな負担がかかるリスクが高まります。
同じ断熱性を持つ家であっても、空気が循環しない間取りの家では、家の中に温度差が生まれます。空気な循環する間取りの家であっても、断熱性と気密性が十分でなければ、快適な室温は維持できません。十分な断熱性と気密性、そして空気が循環する間取りの組み合わせが、高齢者に温度差による身体的負担をかけない環境を生み出します。
湿度が健康に与える影響
日本は湿度の高い時期が長く続きます。湿度が高くなりすぎるとカビやダニが発生するなど、家族の健康に悪影響を与えるような状況が生まれます。また、乾燥しすぎると体感温度が下がる為より寒く感じ、湿度が高くなりすぎると体感温度が上がりより暑く感じます。その結果、空調設備が適切な室温を創り出していても、寒さや暑さを感じてしまうことがあります。
ただ、無垢材や畳、塗り壁などの自然素材には、調湿性という特徴があります。ジメジメしてくると空気中の水分を吸収し、乾燥してくると空気中に水分を蒸散するという性質です。この働きにより、カビやダニの発生を抑え、空気がジメジメしたり乾燥したりすることを防ぐ為、アレルギー発症のリスクが低下します。それと同時に適切な体感温度になるので、快適な室温をそのままに感じられます。
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夫婦2人が暮らしやすい家を建てたい、都心を離れて郊外への移住も検討したいなど、セカンドライフに備えての計画を検討する際には、ぜひエーベンハウスにお手伝いさせてください。50代、60代でまだまだ気力が十分にあるうちがチャンスです。
エーベンハウスは日本の木、茨城で育った木で家づくりをする工務店です。無垢材には、快適で安全な家を支える建材としての特性を備えています。
木造住宅は寿命が短いと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは家の建て方によって大きく変わります。エーベンハウスは子や孫の代まで安心して暮らせることをコンセプトに無垢材の家を建てています。
ぜひモデルハウスにおいでください。無垢の木でつくる平屋の魅力を実感していただけます。