屋根の形で迷ったら│よく使われる屋根5種類のメリット・デメリットを解説
「屋根の形ってたくさんあるけど、どれを選んだらいいのか分からない…。」
新築を検討する中で、屋根の形について悩む人もいるでしょう。
屋根の形ごとにメリット・デメリット、特徴があるので把握してみましょう。
本記事では「よく使われる屋根の形5つのメリット・デメリット」を整理しました。
さらに雨漏りリスクが低めの屋根の形、メンテナンスの頻度が少なくなる屋根の形も紹介しています。
最後まで読んで、自分に合った屋根の形を見つけてみてくださいね。
- よく使われる屋根形ごとにメリット・デメリットがわかる
- 雨漏りしにくい屋根形がわかる
- メンテナンス費用の安い屋根形がわかる
屋根の形、よく使われる5種のメリット・デメリット
屋根の形は分類していくと20を超える種類があります。
しかし、一般住宅で使用される屋根の形は大きく分けて5種類程度です。
それぞれのメリット・デメリットを解説します。
切妻屋根
切妻屋根は、一番高い部位である棟(むね)から左右に屋根が下りてくる、最もオーソドックスな屋根形です。本を開いたまま伏せた形ですね。
メリット
- 構造が単純で建築コストが安い
- 棟以外に屋根と屋根の継ぎ目がなく、雨漏りしにくい
- 雨水・積雪を速やかに排除できるので、雨漏りしにくい
- 屋根形が単純なのでメンテナンス費用が安い
デメリット
- よく使われる屋根形なので特徴を出しにくい
片流れ屋根
片流れ屋根は一方向に向かって屋根勾配がついた屋根です。
大きな一枚板を家にかぶせたような形で、シンプルな外観を得られます。
メリット
- 最も単純な形の屋根で、建築にかかる手間が少なく安価
- 単純な形なのでメンテナンスやリフォームの費用が安い
- 太陽光発電を搭載する場合、屋根全体を南に向けられるので効率的
デメリット
- 屋根の頂点と壁の取り合い部分から雨漏りする事例がある
- 頂点側の壁は風雨の影響を受けやすく外壁の劣化が進行しやすい
- 降雨の全てを片側の雨どいで処理するので、径を太くする必要がある
寄棟屋根
寄棟屋根は東西南北4方向から棟に向かって屋根が伸びる形式で、古くから利用されている屋根形です。
どの方向から見ても軒が低く抑えられているので、建物全体に落ち着きが生まれ高級感のあるたたずまいになるでしょう。
メリット
- 4方向全てに軒が出るので壁に雨が当たることが少なく、壁の劣化を防げる
- 強風が吹いても屋根を持ち上げる力が発生しにくく、被害を受けにくい
- 雨・雪が4方向に分散するので雨どいへの負担が少なく、長く使用できる
- 軒を低く抑えられるので、高さに制限のある地域でも制限を受けにくい
デメリット
- やや屋根形が複雑なので、切妻や片流れ屋根に比べて建築コストが上がる
- 同じ理由でメンテナンスや葺き替え時のコストが上がる
招き屋根
招き屋根は切妻屋根と類似した形・特徴を持つ屋根です。
切妻屋根の片方を長く、もう一方を長めにとる形で、短くした方の屋根に段差を設けることが多いようです。
メリット
- 切妻屋根のメリットを引き継ぎ、雨漏りリスクが低く・メンテナンスコストが低い
- 屋根の片側の面積を広く取れるので、太陽光発電と相性がよい
- 段差を設けた場合、高い位置に窓を設置でき、換気効率が高くなる
デメリット
- 屋根に段差を設けた場合、壁と屋根の取り合い部分が多くなり、切妻屋根に比べると漏水リスクが大きくなる
陸屋根
陸屋根(りくやね)は、水平な形の屋根を指します。
一般住宅で使われることもありますが、ビルやマンションなど鉄筋コンクリート造りの住居で見かけることが多いでしょう。
メリット
- 屋根の上を屋上空間として活用できる
- 屋上に上がれるので足場を組まずにメンテナンスができる
デメリット
- 勾配を大きく取ることが困難で、水はけが悪い
- 結果、汚れがたまりやすく、定期的な掃除が必要になる
- 防水層の再施工を定期的に行う必要がある
雨漏りリスクの低い屋根
よく使われる屋根の特徴を確認しましたが改めて、屋根を設置する最大の目的は「雨を室内に入れない」ことです。
この目的を達成するためには、どんな考え方をして、どんな屋根をかければよいのか確認してみましょう。
どうすれば雨漏りしないのか
雨漏りをさせないためには「速やかに降雨を排除すること」が大事です。
もし、降雨を排除できずに、屋根に水が溜まってしまうと、最初に屋根のスキマから水が侵入していきます。
それでも屋根の下にはルーフィングと呼ばれる防水層が施工されているので雨漏りには至らず、防水層を伝って雨水は排水されます。
しかし、ルーフィングは水に濡れ続けると徐々に浸透するため、屋根の段階で水を排出することが大事です。
どうして水が溜まるのか
住宅に深刻な影響を与える雨漏り、これは「取り合い部分」から発生することが多いといわれています。
取り合いとは屋根と壁の変化点や屋根と屋根の屈曲点のことで、取り合い部分には雨から家を守るための屋根やルーフィングを施工できない場合があります。
こういった弱点から雨が侵入するのです。
屋根の形が複雑であるほど、「取り合い」部分は多くなり雨漏りが発生する可能性が高くなるといえるでしょう。
このため、屋根形が単純な「切妻屋根」が雨漏りリスクの低さでは軍配が上がります。
メンテナンス価格の安い屋根
屋根は建築したときから徐々に劣化が始まり、メンテナンスが必要になります。
では、メンテナンスのコストを抑えられる屋根はどの屋根になるのでしょうか。
シンプルな形の屋根
「シンプルな形の屋根」は取り合い部分が少なく職人さんの手間賃を抑えられ、役物といわれる取り合い部分用の特殊な部材も使わなくて済むのでメンテナンスの費用を抑えられます。
さらに足場を設置する面積も小さくなるので、足場費用も抑えることができます。
職人さんの手間が少なく、足場も小さくなれば工事に必要な時間も短縮できるため、シンプルな形の屋根はメンテナンスの面から見るといいことづくめですね。
勾配が緩めの屋根
「屋根の勾配(傾斜角度)」もメンテナンス費用に関係します。
勾配がきつめだと、メンテナンスに使う資材を屋根に置くのも苦労しますし、移動にも手間がかかります。
急勾配用の特殊な足場を組むこともあり、足場費用も加算されます。
急な勾配を持つ屋根はおしゃれにはなりますが、メンテナンスをする目的ではデメリットが多くなります。
屋根を考えるときはデザインに加えて雨対策も考えよう
新築を計画する中で迷ってしまう「屋根の形」。
ついデザイン重視で変わった形の屋根にしたくなりますが、ちょっと立ち止まって住宅の「雨仕舞」のことも考えてみましょう。
万が一雨漏りが発生したら、天井や屋根、断熱材や柱など、住宅の基本性能を損なう恐れがあります。
雨漏りが判明したあとは高額な修理費用が必要になり、大切なお金も失うことになります。
屋根の形が毎日の安心できる暮らしに直結することを意識して、デザインと雨仕舞を両立できる屋根を目指しましょう。
メンテナンスコストも安い平屋
茨城県で平屋を検討している人はぜひ『エーベンハウス』にご相談ください。
エーベンハウスでは無垢の木材でつくる「平倭の家」を提供しています。
平屋建築は足場をかけずに容易に屋根に上ることができ、屋根の健康状態を把握することができます。
葺き替えなどメンテナンスの費用も安く抑えられるため、長い目で見るとメリットの多い建て方といえるでしょう。
平屋でどんな住心地が得られるのか、一度見にきてくださいね。
エーベンハウスでどんな家が建てられるかを体感できるモデルハウスを展示しています。
2階建ての「木づきの家」、そして平屋建ての「平倭の家」です。
当社で家を建てるとどんな家が建つのか、ぜひ体験しにモデルハウスまでお越しください。
〒315-0001 茨城県石岡市石岡13446−36
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