平屋は暑いって聞くけど本当?|暑いとされる理由と対処法を解説
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平屋建てには数多くのメリットがあり、重厚感のあるデザインも相まって人気が高まっています。
一方で「平屋は暑いって聞いたけど、どうして?本当?」こういった疑問も聞かれます。
本記事では、どうして平屋が暑いと言われるのかその理由、さらに暑くしないためにどうすればよいのか、対策まで解説します。
平屋のメリットを享受しながら快適な温熱環境を手に入れることは可能です。
最後まで見て、快適な平屋生活を手に入れましょう。
- 平屋が「暑い」といわれる理由が分かる
- 平屋で「暑くない」暮らしをするための工夫が分かる
平屋が「暑い」と言われる理由
平屋が「暑い」とされる理由は大きく、「居住空間が屋根の真下にあること」「風通しを確保することが難しい」この2つです。詳しく見ていきましょう。
暑いと言われる理由① 居住空間が屋根の真下
平屋はリビングやダイニングなど、長い時間を過ごす居室が「屋根の真下に位置する」ため、暑いと言われます。
気温の高くなる夏場、照りつける日差しは屋根の温度を上げてしまいます。
じわじわと熱は伝達されて、居室にまで熱気は伝わり暑さを感じるのです。
2階建てであれば2階部分が緩衝帯となって、1階部分は涼しく過ごすことができますが、平屋では熱から逃れることができません。
これが平屋が暑いとされる1つめの理由です。
実は平屋でも、屋根と居室の間には「小屋裏空間」と呼ばれる緩衝帯がありますが、平屋で採用されることの多い勾配天井では、この緩衝帯もなくなるため、さらに熱を感じやすくなります。
暑いと言われる理由② 風通しを確保することが難しい
平屋の間取りを考える中で、日当たりのよい南側にLDK・和室を配置すると、自然と北側に水回りや玄関を配置することになり、「南北の通風を確保するのが難しく」なります。
結果として、熱い空気を外に排出できず、暑いと言われるのです。
また、階段室や吹き抜けを設けることができないので、重力換気ができないことも暑さの原因になります。
重力換気とは、暖かい空気が軽く上に昇る性質を利用した換気方法で、低いところと高いところに窓を設けることで、効率的に熱気を排出する方法です。
さらに、防犯上の理由で夜に窓を開けられず、空気がこもってしまうことも暑さにつながります。
平屋を暑くしないための工夫
ここからは「平屋を暑くしないための工夫」を紹介していきます。
平屋には魅力や機能性がつまっており、暑さを理由に諦めるのはもったいないです。
紹介する対策をとって、快適な平屋ライフを楽しみましょう。
基礎的な断熱性能を上げる
熱が外から侵入するのを、熱を遮断する断熱材や屋根材を使って「物理的に防ぎましょう」。
現在の住宅業界では、屋根・壁の断熱材はグラスウールが用いられています。
屋根からの熱を防ぐために、より性能の高い断熱材を用いるか、グラスウールの厚みを増やすことで対応しましょう。
断熱性能が上がれば、屋根から熱が下りてきても断熱材が受け止めてくれ、居室まで伝わることを防いでくれます。
次に、屋根材を粘土瓦にしましょう。
屋根材は、粘土瓦・セメント瓦・スレート・鋼板など多様な素材が用いられています。
この中で粘土瓦は厚みがあり熱を蓄える熱容量が大きいので、瓦屋根だけでもある程度の断熱が可能です。
また、瓦と屋根下地の間には他の素材と比べて大きな空気層が設けられており、さらに瓦と瓦のあいだに隙間があるため、熱い空気を逃がす効果も期待できます。
小屋裏空間をとる
小屋裏空間とは、居室の天井と屋根のあいだにある空間で、屋根の熱が居室に直接伝わるのを防ぐ緩衝効果を持っています。
十分な容量の小屋裏を設けることで、断熱材に加えて「第二の断熱層としての効果」が期待できます。
フィルターの掃除など、お手入れが苦でなければ小屋裏に換気扇を設置して熱い空気を積極的に追い出す手法も効果的です。
空気抜き用の窓をとる
高い位置に窓を設けることで、先述した「重力換気で熱い空気を排出する」手法です。
特に勾配天井を採用すると小屋裏空間がとれず、屋根の熱が室内に伝わりやすくなってしまいます。勾配天井で得た高い天井を生かして、効果的な重力換気を行いましょう。
重力換気を行なうと、湿気対策にもなります。
暑さを感じる夏場は湿気も気になるものですが、重力換気を行なうことで室内全体に気流が生じて、湿気を追い出すことも可能です。
低い位置に窓を設けて、窓と窓の高さの差を大きくすると、さらに効率的に換気ができます。
低い位置と高い位置に窓を設けることは防犯対策にもなります。
平屋は防犯上の理由で、窓を開けたまま就寝することに不安を感じますが、低い窓に面格子を取り付ければ、窓を開放したままでも安心して就寝できます。
東西方向に長方形の家にする
家の形を東西方向に長方形にすると、水回りを北に配置せずに済むため、リビングやダイニングなどの居室で「南北の風通しを確保」することが可能です。
風が通り抜けることで、熱い空気と夏の湿気を追い出すことができ、快適な居室になります。
さらに、洗濯室などの水回りを南の日当たりがよい方向に配置すれば、よく乾くカラッとした洗濯室を実現できます。
土地の制約で東西に長い家が難しい場合は中庭を設けたり、天窓を設置するなど、設計面での工夫でも通風を確保することは可能です。
また、方角について注意すべきことがもう一点。それは「風向き」です。
日本の夏は基本的には南から北に向かって風が通り抜けますが、付近に山があるなど東西方向に風が吹く地域もあります。
地域差に加えて季節差もあるので、設計者と現地を確認してからプランを確定しましょう。
土地によって、行うことのできる暑さ対策の選択肢は大きく変わります。
土地を決めるよりも、信頼でき、相談に乗ってくれる設計者を探すことを第一優先にすると温熱環境の面でも後悔はなくなるでしょう。
涼しい平屋を手に入れよう
「平屋は暑い」と言われる理由と、「平屋を暑くしないための工夫」について述べてきました。
平屋は2階建てに比べると、外部の影響を受けやすい建築方法であることは確かです。
ただし、現代の住宅の断熱性能を考えると、暑さが問題になることは少ないでしょう。
本記事で紹介したような工夫を加えればさらに、暑さへの心配はなくなります。
「平屋を建てたい」という想いを持っている人は、「暑いのでは…」と心配することなく安心して、便利でおしゃれな平屋を建てましょう。
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