平屋のメリット・デメリットを理解して失敗を回避
階段のないバリアフリーの間取りが魅力の平屋建ては、老後も見据えて長く暮らすマイホームとして人気が高まっています。
しかし平屋の間取りづくりは意外と難易度が高く、メリットだけでなくデメリットも把握してしっかり取り組む必要があります。
今回は新築平屋のメリット・デメリットを両方ご紹介し、暮らしやすい平屋を建てるコツも解説してきます。
後半で実際の新築平屋実例も写真付きで掲載しますので、デザインや間取りの参考にしてください。
目次
令和に平屋人気が高まっている理由
最近平屋を検討する方が増えている理由を、時代背景とともにチェックしてみましょう。
・郊外の広い土地が人気
令和時代に入りテレワークの普及が進んだことで働く場所を選ばなくなり、環境の良い郊外の広い土地に移り住む方も増えています。
都市部より安く広い土地が手に入るため、平屋のハードルが下がったのも人気となっている理由の一つです。
・一つの住まいに長く暮らす時代が来ている
日本の住宅は30~40年で建て替えることが多かったのですが、地球環境保護の観点から一つの住まいで長く暮らすライフスタイルが求められています。
若いときに建てた住まいで老後まで暮らすことも考えると、階段のない平屋は効率的で安全な暮らしを送れる魅力的な選択肢です♪
新築平屋を建てるメリット
・バリアフリーで老後も暮らしやすい
階段の上り下りがない平屋住宅は、足腰が弱ってくる老後もそのまま暮らせるバリアフリー仕様にできるのが大きなメリット。
2階建てでも水回りや寝室を1階にまとめることはできますが、2階が無駄になってしまいます。平屋なら老後もすべての間取りを有効活用しながら、安全に暮らしやすいのが魅力です。
・階段の床面積を節約できる
階段がないことのメリットとしては、床面積を使わないため収納や居住スペースに活用できる点も挙げられます。
一般的な階段は畳2枚分の広さ(約3.3平方メートル)ですが、これだけあればかなり大きな収納を作れますよね。6畳の寝室が8畳になるだけでも、かなり広さの印象が変わります。
ムダのない間取りづくりができるのも、平屋ならではの魅力です。
・家族の距離感が近い
家族全員が同じフロアで過ごす平屋は、呼びかければすぐに伝わる距離感の近さも魅力的。
二階建てだとパパママは一階のリビングで過ごし、お子さんは二階の子供部屋、というパターンが少なくありません。
距離感の近い平屋ならお互いを感じやすく、思春期や成長期のお子さんを見守れる間取りを作れます。
・広いLDKをつくりやすい
二階の荷重かからない平屋は柱や壁が少ない大開口の間取りをつくりやすく、広いLDKを設計できるのも特徴です。
南向きの大きな掃き出し窓も作りやすいため、眺望が良く開放感のあるリビングに仕上げることもできます。
広いLDK空間は家族それぞれのプライベートスペースをつくりやすいため、家族が集まる素敵な空間になるのも魅力です。
・天井を高くできる
平屋は2階の床がないため、屋根の形を活かして高い天井の開放感あるお部屋をつくることができます。
天井が高くなると視界が広がるため、開放感がアップして気持ち良い空間になります。
勾配天井はお部屋のアクセントにもなるため、おしゃれなリビングづくりにもつながりますよ♪
・屋根の破損に気が付きやすい
屋根が近い平屋は、台風や大雨などによる屋根の破損や劣化を目視で発見しやすいのも意外なメリット。
屋根材のズレなどちょっとしたトラブルも、素早い発見と対応で雨漏れや腐食被害を防ぐことができます。
・地震や火事の際に避難しやすい
万が一大きな地震や火事があったときも、平屋ならすぐお庭に出て避難することができます。
2階の寝室で寝ているときの地震や火事は心配ですが、平屋なら安心して休めますね。
新築平屋のデメリットと対策
・広い土地が必要
平屋建てで2階建てと同じ床面積を確保しようとすると、より広い土地が必要になる点は注意すべきです。市街地など人気エリアでは広い土地を見つけること自体が難しく、坪単価も高いため土地購入費用もかかります。
【対策】⇒住宅地や人気の土地を避ける
平屋を検討するなら、地価の高いエリアは避け少し郊外の広い土地を探すのがおすすめです。
広い土地なら駐車場もローコストに用意できるため、郊外暮らしのデメリットも少ないでしょう。
最近は郊外エリアもロードサイドの大型店が進出しているため、市街地よりかえって暮らしやすいケースも少なくありません。
広い土地をリーズナブルに入手して、その分建物に費用をかけられるのも郊外エリアのメリット。
・中心部の日当たりや風通しが悪い
1フロアの面積が広くなる平屋は、中心部分が窓から遠くなるため採光・彩風面の難しさがあります。
【対策】⇒天窓(トップライト)や室内窓を活用する
平屋の中心部が暗くなりそうなときは、天窓を設置して自然光を採り入れるのがおすすめです。二階のない平屋は天窓を設置しやすく、壁面の約3倍の採光性能が期待できます。
隣のお部屋から明るさと風を採りこめる室内窓もおすすめの対策です。
・高い建物の目線や影が気になる
周囲の建物と近い立地条件だと、視線や影の影響を受けやすいのも平屋ならではのデメリットといえます。
【対策】⇒土地探しで周辺環境にこだわる
平屋を建てるための土地探しでは、価格や公共交通機関へのアクセスといった条件以外の周辺環境にもしっかりこだわりましょう。
太陽の位置によって大きく日陰になるケースなどもあるため、高い建物が近くにある土地は時間を変えて訪れてみるのがおすすめです。
図面からは読み取れない周囲の建物からの目線や影なども、しっかりシミュレーションしてみてください。
・防犯面で不利
すべての窓が一階にある平屋は、空き巣に合うリスクが高いというデータもあるようです。侵入経路の選択肢が多い分、二階建てより狙われやすい可能性があります。
【対策】⇒見通しの良い土地に建てる
空き巣に狙われやすいのは、通りから家の様子が分からない奥まった場所などが代表的です。なるべく死角が少ない、見通しの良い土地は空き巣に狙われにくくなります。
家の裏側などどうしても死角になる部分は、踏むと音が出る防犯砂利や面格子・シャッターなど、設備や工夫で空き巣対策をするのも有効です。
・間取り配置が難しい
ワンフロアにすべての間取りを配置する平屋づくりは、実は難易度が高いのは意外なデメリットといえるかもしれません。
一階の距離が長くなるため、しっかり考えないと効率の悪い家事動線になってしまうことも。
【対策】⇒実際の暮らしを細かくシミュレーションする
平屋の間取りを考えるときは、必ず実際の暮らしをリアルにシミュレーションしてみましょう。
朝起きてから洗面所で顔を洗い、LDKで食事を済ませてクローゼットで着替える、といった具合に細かく移動動線を考えるのが暮らしやすい間取りをつくるコツ。
お料理・洗濯・掃除など、家事に関する動線もしっかりシミュレーションして、無駄のない配置を考えましょう。
新築平屋の間取り実例
実際の新築平屋の間取りを、写真とともにご紹介します。
シンプルな外観の平屋は、流行に左右されることなく長く愛せるデザインに仕上がりました。
広々とした玄関からは3つの動線がつながり、効率的な移動ができる間取りです。
キッチンから勝手口、洗面につながるショートカットを設け、ぐるりと一周できる家事ラク間取りを考えました♪
広いLDKからも各部屋への動線をつくり、住まいのすみずみまで手が届く快適な暮らしを実現しています。
暮らしやすい平屋を建てるコツ
・平屋を得意とする会社を選ぶ
暮らしやすい平屋を建てるには、私たち施工店のプロ目線でのアドバイスが何より大切です。工務店やハウスメーカーを選ぶときは、平屋の実績がある会社を選ぶようにしてください。実際に平屋を建てた経験が多いほど、メリットとデメリットを踏まえた効率の良い間取りアイデアが期待できます。
・実際に平屋を体験してみる
二階建てやマンションでの生活が一般的な現代では、実際の平屋間取りを見たことが無い方も多いと思います。平屋を建てる前に実際の間取りや雰囲気を体験しておくと、理想のイメージをつくりやすくなるのでおすすめです。
住宅展示場などでは二階建てが多いため難しいですが、平屋に力を入れる専門店ならモデルハウスを用意していることが多いので、積極的に活用してみましょう。
私たちエーベンハウスも、地元である茨城県石岡市に平屋モデルハウスをご用意しています。ぜひお気軽にご活用ください♪
まとめ:ライフスタイルに合わせた理想の平屋間取りを考えよう
メリット・デメリット両方ある平屋ですが、しっかり間取りを作り込むことで暮らしやすい理想のマイホームに仕上げることができます。
なんとなく平屋を選ぶのではなく、ライフスタイルに合わせて間取りをカスタマイズしましょう。
わたしたちエーベンハウスは、子育てから夫婦2人暮らしまで幅広いライフスタイルにマッチする平屋をご提案します。
平屋を建てるための土地探しからプラン作りまで、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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