間取りと収納は併せて計画しすっきりする家に!
家の中をいつもすっきりさせておく為には、効率の良い収納が役立ちます。家族の生活動線にあっていることと、幅や奥行きが適切であることが使いやすさに繋がります。
間取りが決まってから収納の工夫をするのは大変です。間取り作成時に新居での暮らしをシミュレーションし、平屋には小屋裏収納を設けるなども含めて活きる収納を計画しましょう。
収納の広さに対する考え方
4LDKならどの程度の広さの収納が必要なのだろう?4人家族なら?二世帯住宅なら?というように考えて収納の広さを決める方法は、家族の生活に合わない広さの収納になってしまう恐れがあります。
それよりも、家族構成や子どもの年齢、そして家族の持ち物の量を考え併せた上で広さを決める方が、家族に必要な収納の広さを正確に割り出せます。小屋裏収納を設ける際も、適切な広さにすることが使いやすさに繋がります。
収納は広ければ良いというものではありません。広く造りすぎれば、居室やキッチンなどの床面積が圧迫され、他の部分に影響が出てしまいます。
反対に狭すぎれば必要な物を収納できず、室内に物が溢れて片付かない部屋になってしまいます。
家族構成
家は長く住む所です。その為、家族構成の変化も考えた上で、収納の広さを決める必要があります。例えば、新築時には子どもが一人であったり、まだ幼かったりする場合には、子どもの持ち物はまだ多くはありません。
ただ、子どもの持ち物は中学生、高校生になると次第に増えていきます。子ども部屋の収納などは、その年齢になっても十分に使えるような広さにしておく必要があります。
第二子の誕生に備えて、子ども部屋を分けられるようにしておく間取りにすることもあると思います。その場合には、分割したそれぞれの部屋に収納を備える、2つの部屋の中間に設けて共有できるようにするなどの方法が考えられます。
家族の持ち物の量
収納の広さは、家族それぞれの持ち物の量に合わせて決めます。衣類や食器など日常的に必須な用品の量に関しては、家族による違いはそれほど大きくはないでしょう。一方、仕事や趣味に関わる用品の量となると、家族によって大きな違いが出てきます。
仕事上の書籍が大量にある、家族揃ってアウトドアスポーツが好きなのでキャンプ用品やスポーツ用品が多いなど、ライフスタイルによって変わるからです。現在の具体的な持ち物のサイズや量と、増える可能性のある持ち物の量を併せて、収納に必要な広さを割り出しましょう。
平屋では、家族の持ち物の量に対して、収納に充てるスペースが不足してしまうことがあります。その場合には小屋裏空間を利用すると収納量を増やせます。
収納しやすい位置と生活動線の関係
収納は、「必要な時に出し入れできる位置にあること」が重要なポイントです。せっかく収納があっても、生活動線に合わない位置にあると利用し難くなってしまいます。使い勝手を良くする為、間取りと動線と収納の関係を考えてみましょう。
リビング中心の間取り
「家にいる時間はリビングで過ごすことが多い」というライフスタイルのご家族には、リビング中心の間取りが人気です。リビング中心の間取りでは、玄関からリビングに直結する動線が設けられています。
この間取りには、家族のコミュニケーションのチャンスが多いという良さがありますが、2階にある自分の部屋までコートや荷物を置きに行く面倒さがあります。
その為、リビング内のソファや椅子にコートや荷物を置く家族が増え、リビング内に物が溢れてしまいます。このような状況を避けるためには、玄関やリビング、又はリビングと玄関の間の収納が役立ちます。帰宅後、自然にコートや荷物を片づけられます。
2階建て住宅の洗面所
2階建て住宅では、1階の洗面所に洗濯機を置き、2階のベランダに干すことが多いと思います。この場合、「階段での移動を少しでも減らすこと」が家事負担を軽減します。
その為には、洗面所を広くとり、タオルや洗面用品以外に、下着やパジャマなど入浴後に必要な衣類を収納できるようにしておくと便利です。2階のそれぞれの部屋に届ける衣類が減ることに加え、入浴準備の為に2階に下着やパジャマを取りに行く必要がなくなります。
勝手口とパントリー
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一週間分の食料品をまとめて購入するというライフスタイルには、勝手口から直結できるパントリーが便利です。勝手口から直結できると、玄関を通らずに食料品の搬入ができます。勝手口の近くに駐車スペースを設けるなどの工夫で、雨の日でも楽に大量の食料品を搬入出来ます。
収納のタイプの種類と決め方
収納にはウォークイン、ウォークスルー、壁面という3つのタイプがあります。収納する物の量が多い場合にはウォークインタイプやウォークスルータイプ、見せる収納や出し入れする回数の多い小物の収納には、壁面収納が向いています。
ウォークスルータイプは、広くとって部屋のように使うこともでき、収納スペースに十分な床面積を充てられない場合には、廊下と共用するような造り方もできます。
ウォークインタイプ
部屋のように使う収納です。玄関、居室、キッチンの収納に使えます。
玄関の収納
玄関でウォークインタイプの収納にする場合には、土間収納にする方法があります。アウトドア用品やスポーツ用品が多い、ベビーカーや自転車も置きたいという家族には便利です。また、室内では汚れが気になってできない趣味の塗装作業や、鉢の植え替えなどの作業スペースとしても使えます。
その他に、半分を土間収納にするタイプもあります。コートや帽子などを収納する棚やパイプハンガーを設け、姿見を置くと、外出準備をする場所としても活用できます。
どちらの場合であっても、収納の内部に窓を設けると使いやすくなります。土間収納には便利である一方、湿度が高まりやすいという問題がありますが、窓があれば換気ができます。
また、作業や外出準備をする際にも、窓があると日中は照明を点ける必要がなくなります。外出準備では、自然光の下で服装やメイクの色の具合をチェックできるので便利です。
リビングの収納
子育て中にはリビング内に子どものおもちゃが溢れ、片付かないというような状況が生まれやすいです。リビング内に収納があれば、そのような問題を避けられます。子どもに自分でお片付けをする習慣もつけやすいです。帰宅した家族のコートや荷物の片付けにも面倒さがありません。
居室の収納
寝室や子ども部屋にそれぞれ設ける方法もありますが、寝室と子ども部屋の間を繋ぐ共有の収納にする方法もあります。子どもが幼いうちは収納内の整理整頓を手伝ってあげられます。
子どもが年頃になり一緒に使うのを嫌がるようになった時に備えて、メインの寝室側と子ども部屋側に分割できるようにしておくというアイディアもあります。
キッチンの収納
広さのあるパントリーには食料品だけではなく、冷蔵庫や調理器具などを全て収納できるので、キッチンに生活感が出ません。リビングとダイニングキッチンが並んでいる間取りでは、来客時に視線が気になることがありますが、パントリー内に全て納められるのでその心配がなくなります。
平屋の小屋裏収納
小屋裏収納は便利である一方、昇り降りの方法によっては使い難さが生まれることがあります。梯子式や収納式の小屋裏収納には、両手に荷物を抱えていると一人では昇り降りし難いという問題があるからです。
小屋裏収納に物を出し入れする際、常に手伝える家族がいるという場合には、大きな問題ではないかもしれません。一方、安全に昇り降りしたい、一人でも荷物の出し入れをしたいという場合には、階段にすると使い勝手が良くなります。
自治体によっては階段をつけると小屋裏としては認められなくなる場合がありますが、茨城県では階段を禁じるルールは設けられていません。
小屋裏、天井裏その他これらに類する部分に物置等がある場合、当該物置等の最高の内法高さが1.4m 以下で、かつ、その水平投影面積がその存する部分の床面積の2 分の1 未満であれば、当該部分については階(床面積)に算入しないことから、当該部分と同一の床のレベルから利用する場合であっても、小屋裏物置等として取扱って差し支えないものとする。
引用:茨城県建築基準法取扱集
ウォークスルータイプ
通り抜けができるタイプです。
玄関とリビングの間や勝手口とキッチンの間をウォークスルータイプにすると、よりスムーズな動線が生まれます。
また、リビングの一部にパーテーションを設置し、ウォークスルータイプのファミリークローゼットにするという方法もとれます。この場合、内部に造作のデスクを設けると、ユーテイリテイスペースとしても使えます。このスペースでは、夕食前のちょっとした時間に子どもが宿題をすることもできます。
玄関では、家族用の動線をウォークスルータイプの収納にし、その他に来客用の動線を設け2ウェイにするという間取りも考えられます。
ウォークインタイプもウォークスルータイプも、内部の造り方で使い勝手と収納量が変わります。収納する物のサイズと量に合わせて、棚やパイプハンガーを設けることが、使いやすさとデッドスペースを生まないことに繋がります。
収納する物のサイズと量と種類に合わせた収納
収納は収納する物の量とサイズに合わせて計画しないと、使い難い収納になってしまいます。
幅、奥行き、高さ
幅が広すぎるとデッドスペースが生まれ、狭すぎると入りません。奥行きが深すぎると、奥の物が取りだせなくなってしまいます。高すぎると上部が余り、低すぎると出し入れし難くなってしまいます。
- 持ち物の量に合わせて、棚に置く収納ボックスや衣装ケースのサイズと量を決める
- 棚の中に置く予定の収納ボックスや衣装ケースのサイズに合わせて、棚や仕切りのサイズを決める
- 食器や調理器具の数やサイズに合わせる
というように、具体的にサイズをチェックした上で棚を造作していきましょう。これはウォークインタイプやウォークスルータイプ、壁面収納の全てに共通します。
出入り口の扉や引き戸
ウォークインタイプは出入り口の種類によって使い勝手が変わります。
出入り口の側面の壁に余裕がある場合には、引き戸が便利です。デッドスペースが生まれないことと、大きな荷物を出し入れする時に開放した状態を維持できます。
出入り口の側面の壁に余裕がない場合には、扉にすれば、出入り口の側面の壁に余裕がなくても大丈夫です。
壁面収納や収納内部の棚の扉や引き戸
収納する物の種類によって扉や引き戸の有無を決めていきます。
扉や引き戸が必要ない棚に収納する物には次のようなものが挙げられます。
- 炊飯器やオープントースターなど蒸気が出る調理器具
- 玄関収納内に置く鍵や帽子、スマホなどの充電器
- 収納ボックスや衣装ケース
- 頻繁に出し入れする本やCD類
- 見せる収納に置く食器や調理器具や装飾用の小物や鉢植え
- 掃除用品
一方、タオルや衣類、食器、使用頻度が低い調理器具、食料品などの中には扉や引き戸があった方が衛生的に使える物もあります。それらの用品は、収納ボックスに入れてから棚に置くこともできます。また、ウォークインタイプの収納の内部に、引き出しのついた収納家具を置くという方法もあります。
暮らし方によって使いやすい収納が変わる
収納の使いやすさは常にすっきりした室内に繋がります。常にすっきりした室内には居心地が良く、使いたいものはすぐに出せる、片づけたい物はすぐ片付けられるという暮らしやすさがあります。
使いやすい収納を設ける為には、間取り作成の際に家族の暮らし方を十分に考えて計画を進めることが大切です。暮らし方によって使いやすい収納は変わり、収納の良し悪しによって暮らしやすさが変わります。
間取り計画では、きれいな景色が見える広々としたリビング、使いやすいキッチン、ゆったり入浴できる浴室などに気持ちが集中しやすいと思います。一方、リビングやキッチンと比較すると収納は地味な存在です。ただ、収納の使いやすさは、暮らし始めてからの快適さに大きく影響します。綿密に計画して使いやすい収納を備えた家にしましょう。
エーベンハウスは日本の木、茨城で育った木で家づくりをする工務店です。無垢材には、快適で安全な家を支える建材としての特性を備えています。
木造住宅は寿命が短いと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは家の建て方によって大きく変わります。エーベンハウスは子や孫の代まで安心して暮らせることをコンセプトに無垢材の家を建てています。
ぜひモデルハウスにおいでください。無垢の木でつくるの家の魅力を実感していただけます。